不思議なバイオリン
あらすじ
イギリスのとある農場で、心の優しい少年トムは働いていました。 トムは意地悪な親方に毎日こき使われて、貧乏な暮らしを送っていました。
ある日、同じ村の少女ウェンディの失敗をかばった事によって、三年分の給与だと言って、たった二枚の銅貨を渡され、村を追い出されてしまいました。
行くあてもなく森の中をさまよっている途中で、二人の貧しいおじいさんに出会いました。
トムは自分の持っている銅貨を二人おじいさんに全てあげました。すると、目の前に突如“森の精”が現れました。
「私は貧しいおじいさんに化けていた森の精。お前はとても心の優しい少年だから、この不思議なバイオリンをあげよう。 このバイオリンは心の優しい者が弾くと、誰でも愉快になって踊り出すが、心の醜い者が弾くと大変なことになる。」
バイオリンを貰ったトムがさらに森の中を歩いていくと、きこりに出会いました。
堅い樫の木を切ったら銀貨をやると言われたので、トムはきこりの代わりに木を切り倒しました。しかし、きこりは銀貨をあげるのを渋ります。
「木を切ったら銀貨をくれると言ったじゃないか!大人は皆嘘つきだ!よーし…」
トムがバイオリンを弾くと、きこりは自分の意思とは裏腹にたちまち踊りだしました。
「許してくれえ!銀貨をやるから、バイオリンを止めてくれえ!」
こうして銀貨を手に入れたトムは、街へと向かうのでした。
街の中でトムがバイオリンを弾くと、街の人々は楽しくなって踊りだします。
しかし、そこへきこりと警官がやってきました。
「こいつがわしの銀貨を盗んだんだ!こいつを捕まえてくれ!」
きこりの嘘によってトムはあっという間に捕まってしまい、裁判にかけられる事になってしまいました。
さて、トムは自分の疑いを晴らす事ができるのでしょうか?
「誰でも一生懸命になれば何でも出来るんだ。そう、何とかなるのさ!」


